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こぼれる。

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ぶちまける場所があったっていいじゃないか
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ななしによる個人の趣味による二次創作妄想やゲームプレイ記録サイト。
ジャンルに捕らわれずその時好きなものを好きなだけ。
NLGLBL女体化りばねたばれ何でもありです。
フィギュアやお人形話なんかも混じったりします。
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 真夜中、そこだけが薄く照らされた台所で俺とそいつは目が合った。ぴたりと動きを止めたそいつは口に出さないものの「やらかした、見つかってしまった」という空気を醸し出している。ほとんど反射的に近くの食器洗い用洗剤を手に取り、そいつに向かってぶちまける。直撃。さっきまでの様子が嘘のようにぴゃっと飛び跳ねるような動きを見せた。相手の慌てている様子に瞳孔が開く感覚がして、思わず歯ぎしりのような音が口から零れる。目の前にあるだけで心の底を逆撫でる存在。みんなの嫌われもの。裏側の同居人。そうゴキブリだ。

 シンクのふちから洗い場のほうへ下りていく進行方向に狙いを定め一撃、二撃と続けるが、どうやら洗剤は残りの量が少ないようでボトルはかしゅかしゅと頼りない音を立ていた。手のひら半分ほどの大きさをした相手を取り囲むにはまだ足りない。殺虫剤はたしか玄関に置いてあったと思うのだが取りに行く余裕はないだろう。コンロの隙間に逃げ込まれる前に仕留めなければ。標的を見据えたままボトルを逆さにし片手で振る。先のダメージが効いているのか少しずつ動きが鈍くなっていて、活路を探すように揺れる触角からは切実な焦りが感じられた。そこへだめ押しのように真上から最終攻撃を加える。完全に液体に絡めとられ、暴れた反動で裏返った体から伸びる手足が激しく蠢く。今ここで洗剤を使い切ってしまったら明日困るだろうかと考えつつも、ボトルを押す力を緩めることはできなかった。買い置きくらいあるはずだ。思えば昼間からこのように堂々とこいつがシンクの真ん中へ躍り出てきたことはないので、わざわざ人の少ない時間を選んで活動していたのかもしれない。
 気がつくと透明の液体の中から飛び出す足はゆっくりと空を掻いていた。苦しいのだろうか。意識はまだあるのだろうか。先ほどまでの気分が一転し身の周りの酸素が薄くなっていくように感じる。今から何をしたってこいつが助かることはない。僕とこいつは何が違うのだろう。自分でやったくせに。矢継ぎ早に頭の中から声がして、身体が、視線が、金縛りのように動かなくなる。

 完全に動きが止まったことを見届けて、それをティッシュでくるみゴミ箱に捨てた。ようやく息をつく。握っていたボトルを元の場所へ乱雑に戻し、流しのあちこちにできた洗剤の溜まりをざっと流してから、コップに水をつぎ一気に飲み干した。口の端から水が伝う。シンクにかけた左手の先には流し損ねた洗剤がまだあったようで、生ぬるくぬるりとした感触がしたが、構わずその手で口の端をを拭う。自分には不釣合いの清潔な香りが纏わりついて思わず嘲笑するような息が漏れてしまった。どうせこんなものじゃ死にはしないんだ。


(ウシミツドキノ2/おそ松さん/一松/20160730)


ちなみに各Gの対処法ですが、
長男次男は別に怖くはないけど、目の届かない場所に逃げられたらすぐ諦めそう。
三男は絶対殺すマン。アフターの仲間駆除もばっちり。駆逐してやる。
四男五男は、あんまり気にしてないんだけど(末弟がいればうるさいからやっとこうかくらい)
時々上記のような野生の本能が働きそう。
六男は自分で手を下すことは無さそう。しかし逃すのは許せない。

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ウイルスに先立たれるトリップ

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 いつぶりだろう。一欠けらの悪意もなく子供みたいに笑っている。満ち足りた気持ちが目の端にたまって世界をぼやかしているので見分けることはできないけれど、周りにいるのは兄弟に違いない。1・2・3・4・5。全員いる。みんな同じ顔で笑っている。ここにいれば大丈夫。
 一松はそう思った。

 右側から肩を叩いたのはどの兄だろう。
 薄く開かれた視界に見慣れた天上が浮かぶ。
 左側からこの名前を呼んだのはどちらの弟だろう。
 暗く沈んだ部屋に男達の寝息が響く。
 今のはいつの思い出だったか。
 ――違う。
 あんな光景、実際には無かった。

 そう自覚した途端、身体から夢が蒸発するように逃げ出し冷えていく。なんとか残っている温もりを逃がさないよう、身体を少し丸めて顔までを布団へ埋めた。ゆっくりと息を吐いてみるが、男6人で共有していて最近干された様子もないそれから良い匂いなんてするわけはない。
 例えばこれがよく見る血の付いたノコギリを持って洋館を徘徊するような夢や、暗闇のなか四方八方から伸びてきた手に首を絞められるような夢であれば、もう観念して、目を閉じることも止めて、頭上の窓からやってくる朝をじっと待っていればよかった。
 先ほどの夢の続きはもう見れない。ならばせめて――ぼんやりと頭に残っている細い糸を辿るために目を瞑り、それから考えることをやめた。
(ウシミツドキノ/おそ松さん/一松/20160216)
(20160427加筆)

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前後に審神者♀とのお話構想練りながらの覚書。

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性別:
女性
自己紹介:
溢れでるものを惜しげなくをモットーに!

妄想属性。
ろぐ取り体質。
絵かくのだいすき。

にょた・性転換・GNBL全てばっちこい。
繊細で綺麗なものに弱いよ。
悲しい切ないお話が大好物だよ。


ピクシブしております。



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